- 大学を中退してしまったがもう一度大学に通いたい。
- 短期大学を卒業したが大学卒業資格を取りたい。
- 専門学校を卒業したが、大学の卒業資格が欲しい
このように大学への編入を考えている方がいらっしゃると思います。
しかし、「自分は何年次の編入になるの?」
- (中退した大学の)取得した単位は何単位引き継げるの?
- 自分は何年次の編入になるの?
- 卒業までどれくらい掛かるの?
そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。
そこで「編入」で通信制大学に入学し「卒業」した私から「通信制大学への編入のすべて」をお伝えします。
通信制大学への編入制度
通信制大学では「編入制度」を設けており、これまでの学歴(大学中退、短期大学卒業、専門学校卒業)によって2年次編入、3年次編入ができます。
そのため、以前に通学制の大学に通っていた、短大を卒業した人などは、1年生から勉強をし直す必要はありません。
ただ、希望する「通信制大学」により条件は変わるため、希望する通信制大学に、「2年次編入」「3年次編入」になるのか事前に確認が必要です。
2年次編入、3年次編入とは?
2年次編入とは大学2年生から始めるということで、最短であれば3年で卒業することができます。
また3年次編入とは大学3年生から始めるので、こちらは最短2年で卒業することができます。
ただ、すべての大学が「2年次編入」「3年次編入」の制度があるわけではないので、各大学の「編入制度」で確認が必要です。
大学中退、短大卒、専門学校卒は何年次編入になるの?
それぞれの学歴が「何年次編入」になるのかは一概に言えず、各大学によって決められています。
しかし、概ね下記のようにまとめることができます。
| 学歴 | 編入年次 | 注意点 |
|---|---|---|
| 短期大学卒業 | 3年次編入が中心 | 大学によっては2年次編入もあり |
| 専門学校卒業 | 3年次編入が中心 | すべての専門学校が対象ではない |
| 大学に1年以上在籍 | 2年次編入の可能性が高い | 取得単位は認められる可能性あり |
| 大学に2年以上在籍 | 3年次編入の可能性が高い | 取得単位は認められる可能性あり |
| 大学に1年未満で中退 | 原則1年次入学になる場合が多い | 取得単位が認められる可能性あり |
これらは各大学により条件が違うため、「〇〇年次編中が中心」「可能性が高い」「可能性あり」という曖昧表現になっています。
たとえば
2年次編入では、「短大卒」と「条件を満たす専門学校卒」は3年次編入になります。放送大学では「2年次編入」「3年次編入」が選択できます。
放送大学の「2年次編入」「3年次編入」の選択は、大卒資格目的で早く卒業を目指すなら「3年次編入」
以前勉強した分野と違う勉強をじっくりしたいなら「2年次編入」を選択できるように分かれています。
また、「大学中退者」の場合、法政大学では1年以上在籍し30単位以上習得していれば2年次編入。2年以上在籍し60単位以上習得していれば3年次編入になります。放送大学では1年以上在籍していれば2年次編入、2年以上在籍していれば3年次編入になります。
放送大学は、年次を決める際に前大学での在籍期間を基準にしています。仮に前大学で1年以上在籍し、習得単位数は0の場合、2年次編入で入学し3年間で卒業するなら124単位必要になります。
編入時の以前の習得単位はどうなるのか
通信制大学へ編集した場合、以前通っていた専門学校、短大、大学で習得した単位を、編入した大学で卒業に必要な単位として認定してもらえる場合があります。
これを「既習得単位」と言います。
ただ注意が必要なのは、前大学で「60単位」習得したから編入先大学ですべて認定されるわけではありません。何単位認定されるかは編入先の通信制大学により異なります。
編入希望の大学で取得単位の審査がある
前大学や短大で習得した単位は、編入先の大学で審査されます。認められれば卒業に必要な単位として認められます。
認定されれば、編入後にその分単位を取る必要がなくなります。たとえば、卒業に必要な単位が124単位で32単位認定されれば、残り92単位を編入後の大学で取得すれば卒業となります。
大学により「認定単位数」や「認定方法」は違う
「既習得単位」は大学によって異なります。
例えば放送大学では、編入年次ごとに「認定単位数」の上限が決まっており。2年次編入は最大31単位、3年次編入は最大62単位です。
法政大学通信教育部では、出身校や編入年次、科目区分によって認定方法が細かく分かれています。
このように、同じ単位数を持っている人がいても、編入先の大学の審査によって「認定される単位数」は違ってきます。
編入の際は「何年次から編入できるか」だけでなく。「以前習得した単位が何単位まで認定されるか」「どの科目が認定されるか」まで確認しておく必要があります。
通信制大学へ編入できる条件
通信制大学へ編入できるかは、これまでに通っていた学校や卒業、中退の状況によります。
短期大学や一定の条件を満たす専門学校を卒業すれば、法律上、大学への編入資格があります。また、大学を中退した人は在籍年数や取得単位数により、各通信制大学が独自に定める基準により決めれらています。
大学を中退した場合
大学を中退してしまった場合でも、一定期間以上在籍していれば通信制大学へ、2年次や3年次編入が可能な場合があります。
「編入できる条件」は各大学により違うので、詳細な条件は確認が必要ですが、主な判定方法は以下の2パターンに分類できます。
| 判定方法 | 編入年次 |
| 在籍期間と取得単位数で判定 | 1年以上の在籍で、一定の単位習得していれば2年次 2年以上の在籍で、2年間で一定の単位習得で3年次 |
| 在籍期間を中心に判定 | 1年以上の在籍で2年次 2年以上の在籍で3年次 |
たとえば、大学に1年以上在籍(2年生の途中で退学など)した場合は2年次編入。2年以上在籍(3年生の途中で退学)した場合は3年次編入としている大学があります。
また、2年以上大学に在籍していても2年次編入からできる大学もあります。これは基礎から学び直したい場合や、以前の大学での取得単位数が少ない場合にあえて低い年次からの編入を選ぶこともできます。
短期大学を卒業した場合
短期大学を卒業した場合は、法律上、4年生大学への編入資格があります。
編入年次は多くの通信制大学で「3年次編入」としているところが多く、最短で2年間で卒業を目指せます。
例えば東京通信大学では短期大学を卒業したものは「3年次編入」の対象とされています。ただ、短期大学で習得した単位が全て認定されるとは限りません。
短期大学で習得した科目や単位数を大学で審査した上、認定単位数が決まります。もし全て認定されない場合は2年間での最短卒業が無理な可能性も出てきます。
また、短期大学を卒業せずに中退したい場合は「短大卒」と扱いが変わります。
たとえば、放送大学では「2年次、3年次」編入の扱いにはならず、1年次入学になり、短大在籍中に習得した単位を認定する仕組みになっています。
専門学校を卒業した場合
専門学校を卒業した人も一定の条件を満たせば、通信制大学への編入は可能です。
文部科学省では、大学入学資格があり、以下の条件を満たす専門学校の専門課程を修了した人に大学への入学資格を認めています。
- 修業年限が2年以上
- 総授業時数が1,700時間以上、または62単位以上
この条件を満たしていなければなりません。「専門学校を卒業していれば通信制大学へ編入できる」というわけではありません。
ただ「専門士」の称号が付与される専門課程は、大学へ編入学できる可能性が高いです。
「専門士」とは一定の条件を満たした専門学校を卒業した者に与えられる称号で、2年以上の修業で、1700時間以上の修業総時間、もしくは習得単位数が62単位以上です。
もし「卒業証書」や「修了書」に「専門士」と書かれていれば、大学への編入資格を満たす可能性があります。条件を満たすかどうかは卒業した専門学校へ問い合わせすれば確認できます。
大学を卒業している場合
大学を卒業した人でも、通信制大学を途中年次で入学できる場合があります。これは「編入学」ではなく、「学士入学」と呼ばれる制度になります。
たとえば、法政大学通信教育部では、学資の学位を持っている人を「学士入学」として3年次編入の対象としています。
大学卒業後に別分野の「学士」を得たい場合や、資格を取得に必要な科目を学ぶことを目的に、このような「学士入学」という制度があります。
ただし、すべての通信制大学で「学士入学」の制度があるわけでないため、希望する通信制大学での確認が必要になります。
通信制大学への編入の流れ
「通信制大学」へ編入する場合、願書を提出する前に「編入年次」や「認定単位数」を調べる様にしましょう。
各大学で手続きは異なるので確認が必要ですが、おおまかな流れは下記の通りです。
- 編入制度のある通信制大学を調べる
- 編入の条件を調べる
- 募集要項で学費やスクーリングの有無、認定単位について調べる
- 出身校から出願に必要な書類を取り寄せる
- 出願
- 出身校で習得した単位の認定を受ける
- 卒業までの履修計画を立てる
編入制度のある通信制大学を調べる
「通信制大学」はどこでも編入制度があるわけではありません。また、編入制度があっても、同じ学歴でも「2年次編入」か「3年次編入」か大学によってことなります。
「編入制度」のある通信制大学を調べる場合以下の点も合わせて確認します。
- 2年次編入、3年次編入に対応しているか確認する
- 自分の学歴や在籍期間が編入対象か
- 以前に習得している単位がどれだけ認定されるか
- 卒業までに必要な学費
- スクーリングの有無
- オンライン授業の有無
「編入」に関することだけでなく、入学後から卒業までに関することを聞く様にしましょう
編入条件を確認する
「編入制度」があり、自分が行きたい通信制大学が見つかれば、自分が「何年次」編入できるか確認します。
大学中退者は前大学の修得単位数や在籍期間。短大卒、専門学校卒は卒業・修了した課程により編入条件が変わってきます。
「自分は大学に2年通ったので、3年次の編入になるだろう」と勝手な予測はせず、きっちり志望する通信制大学に確認する様にしましょう。
募集要項で学費やスクーリングの有無、認定単位について調べる
志望する通信制大学の公式サイト、もしくはメールや電話で問い合わせして、以下のことを確認しましょう。
- 既修得単位の認定方法と上限
- 編入できる年次
- 創業に必要な単位数
- 修業年次
- 学費
- スクーリングの有無
- 出願期間
- 必要書類
注意が必要なのは、例えば「3年次編入できる=2年で卒業できる」とは限らない点です。
以前の大学で62単位とっていても、編入後の大学では54単位しか認定されなかった(①で確認する内容です)その場合卒業に124単位必要であれば、2年で70単位取らないといけません。
年間の履修上限や取得必須科目の関係で2年間で70単位取りきれない場合、卒業できない可能性があります。
出身校から出願に必要な書類を取り寄せる
編入学では以前に通っていた「大学」「短大」「専門学校」が発行する証明書が必要になります。
たとえば
- 成績証明書
- 卒業証明書
- 在籍期間を証明する書類
- 大学指定の編入資格を証明する書類
これらは、大学中退、短大卒、専門学校卒などによって変わるので確認が必要です。
証明書はすぐに発行されない場合もあるので、出願締め切り直前ではなく、早めに手配しておきましょう。
出願する
編入条件を確認し必要書類を準備できたら、出願の手続きを行います。
現在はインターネットでWEB出願の対応をしている通信制大学が多くありますが、証明書類などは郵送の可能性もあります。
編入の場合は単に出願の手続きをするだけでなく、以前の学歴の修得単位の認定手続きも必要となります。
放送大学では、出願の際に既修得単位の証明書類を提出する必要がありますので、そちらも同時に対応する必要があります。願書提出後に提出することはできません。
出願方法や願書受付時期などは各大学によって違うので、ホームページで確認する様にしてください。
既修得単位の認定を受ける
編入前の学校で習得した単位は、編入希望先の通信制大学で審査されます。
認定された単位は、通信制大学卒業のための単位としてカウントされるので、たとえば卒業に124単位必要で、認定された単位が60単位の場合、残り64単位取得すれば、4年生の通信制大学を卒業できます。
編入前の学校で習得した単位が全て認定されるわけではないですし、審査方法や基準は各大学によって違いますので事前に確認しておきましょう。
認定の基準は各大学のホームページで告知されていますので「〇〇大学 通信制 編入」で検索すると該当ページがヒットするので確認してください。
卒業までの履修計画を立てる
「既習得単位数」がわかれば卒業までに、どれだけの単位数が必要か履修計画を立ててください。
たとえば
3年次編入であっても「既習得単位数」が少なければ、2年で卒業するために多くの単位を習得する必要があります。
例えば「卒業に必要な単位数」が124単位で「既習得単位数」が50単位だったとします。残り2年間で74単位、1年あたり37単位必要となります。
しかし、履修できる単位数が年間36単位と決まっている場合は、2年間で最大72単位しか取れないので、2年で卒業するのは無理になります。
また、必修科目やスクーリングの必要条件の関係で2年で卒業できない場合もあります。
- 特定の基礎科目を習得しないと、次の専門科目を履修できない
- 必修科目が特定の学期にしか開講されていない
- スクーリングの日程が限られている
など条件が決まっている場合があります。
この様な場合、基礎科目を1年目に合格できず、2年目に取得となり、必須科目だけ習得できず3年目に取らざる終えなくなったり(3年目はこの必修科目だけを取るだけに在籍していることになります。)、必要なスクーリングを2年間の間に受講できないと2年で卒業できなくなります。
「3年次編入だから2年で卒業できる」とは限らないので、認定された単位数と卒業要件を確認の上、履修計画を立てる様にしましょう。
「通信制大学への編入」についてのよくある質問
「通信制大学への編入」についてのよくある質問をまとめてみました。
大学を1年未満で中退しても通信制大学へ編入できるの?
大学を1年未満で中退した場合は、「2年次編入の対象とならない」ことが多いですが、大学の「編入条件」によります。
たとえば、放送大学では在籍期間が1年未満の場合は2年次編入できませんが、他大学で習得した単位があれば、既習得単位として認定申請することができます。
もし、認定されれば、1年生入学の段階でいくつかの単位を習得した状態でスタートできます。
また、法政大学通信教育部の場合は「大学に1年間以上在籍し、30単位以上習得していること」が2年次編入の条件になりますので「1年未満」で中退は編入対象ではありません。
「大学を1年で中退」という言葉は「1年間在籍した後に退学した」のか「1年未満で退学した」のかで変わりますので、編入を希望する大学に確認することを強くお勧めします。
大学を2年で中退したら3年次編入できる?
大学に2年以上在籍して退学した場合、3年次編入できる通信制大学はあります。ただ、2年在籍しても確実に3年次編入になるわけではなく、大学によっては一定数の単位習得も条件となります。
例えば、法政大学通信教育部では大学に2年以上在籍し、60単位以上習得していることが3年次編入の条件です。
もし2年間在籍して、52単位習得の場合は「2年次編入」になります。
一方、放送大学では大学に2年以上在籍して退学していれば、「3年次編入」の対象となり、既習得単位の条件は設けられていません。
なお「大学2年で中退」の定義は「1年6ヶ月」在籍した場合も大学2年生で中退ですが、実質「2年未満」になりますので実際の在籍期間で考えるようにしてください。
3年次編入には何単位必要?
3年次編入に必要な単位数は、通信制大学によって異なります。
| 通信制大学 | 3年次編入の条件 |
|---|---|
| 法政大学通信教育部 | 大学に2年以上在籍+60単位以上習得 |
| 東京通信大学 | 大学に2年以上在籍+62単位以上習得 |
| サイバー大学 | 大学に2年以上在籍+62単位以上習得 |
| 放送大学 | 大学に2年以上在籍して退学 |
このように大学により「3年次編入」に必要な単位数は違います。
また、「3年次編入に必要な単位数」と「編入後に卒業単位として認定される単位数」は別です。
法政大学の条件を例にすると「3年次編入の条件」が「60単位以上」で、もし認定単位申請して「52単位」しか認定されない場合、3年次入学時点で「52単位」しかない状態になります。
通信制大学から別の通信制大学へ編入できる
通信制大学から別の通信制大学に編入することも可能です。
通信制大学も「大学」にあたるため、編入先の大学が定める「在籍期間と修得単位数」の条件を満たしていれば、2年次編入、3年次編入の対象になる場合があります。
ただし、前通信大学で修得した単位がすべて認定されるわけではありません。
別の通信制大学への編入を考えている方は「何年次編入になるか」「何単位認定されるか」事前に確認するようにしましょう。
通信制大学への編入試験はあるの?
編入時の選考方法は通信制大学により異なります。一般的な国語や英語などの学力筆記試験を必須としている大学はありませんでした(令和8年9月20日現在)。
多くの大学では書類選考が実施されています。また一部の通信制大学において「作文・小論文・適正診断・面接・条件付き小論文試験」を実施いています。
詳細は編入希望の通信制大学へ問い合わせるかホームページなどでご確認ください。